地の果ての見たこともない夢 ...... 04
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 要求すれば、間違えなく応えが返ってくる。それが、ナルトにとってはいつも、何よりも嬉しかった。
 内容によっては、すぐに与えられたり、少し時期を見てからであったり、こちらが思い描くやりかたとは全く違う形であったりしたが、基本的にどんなことでも、自来也はナルトの望みを、最も適切な方法で叶えようとしてくれる。
 ナルトはそれを信じて付いて行くだけでいい。
 信用できる大人に育てられることが、どれほど幸福なことなのか、噛み締めずにはいられない。ナルトにはいつだって、必要最低限のものしか与えられず、それ以上のものは、ましてや欲しい物をくれる人なんて、一人も現れなかった。アカデミーに上がり、卒業して、それらは少しずつ与えられ、あるいは手に入れられるようになってきたけれど、誰かを独占したり繋ぎ止めたりすることは、ナルトにとってはずっと、とても困難なことだった。
 ところが自来也は、目の前に現れたその時から一貫して、ナルトだけを見る。手元に置き、どんなつまらない言い分にも耳を傾け、徹底的に見守る。そのために割く時間に彼は執着する。
 こんなことは初めてだった。
 この感謝をどう表せばいいのか、どう報いればよいのか。毎日。努力と成果に替えるのが最良だと分かってはいても。
(オレ、強くなっから。今はこんなでも、いつかは、誓った通りに、なってみせるから)
(だから、オレのこと見てて)
(オレだけを見て)
 なかなか言葉に出来ない、本当の気持ち。
 

 爪先から長い髪の先まで撫でられる。合わせた唇で唇をこじ開けられ、厚く広い舌に絡め吸われれば、薄く稚い舌は簡単に負けてしまった。
 脇腹から肋骨を辿っていた指は、胸の丸みを掴み取り、関節の間に感じやすい固みを捕える。そのまま掌に乗せられてリズミカルに揉みしだかれ、ナルトは喉声を上げた。
 口付けから解放されると、感じるままに切れ切れの悲鳴を上げ始める。
「や、ぁ……ん、あ、ひぁっ、あ」
「お前、ホントにここが好きだのォ……」
「あっ、はぁ……っ、ん」
 最初の頃から敏感だった乳首は、毎回の集中的な加虐に開発されて、既にそこだけで意識を失うほどの快楽を得られるまでになっていた。ナルトは夢中でその刺すような心地良さに没頭する。相手のその様子を楽しみながら、自来也は白いワンピースを首元まで捲り上げた。形良く震え、紅く色付いたそこを眼前に剥き出しにすると、唇を寄せて吸い上げた。
 そのまま、歯の裏で軽くしごくように食み、舌先で舐め転がし、好き勝手に嬲る。
「ひ、ぃ、んっ、いやぁ……っ」
 慎みも何もなく嬌声を上げ、腰を震わせながらナルトは覆い被さる男の身体に縋りつく。
 しかし、太腿の内股をさする手が這い上がるのを感じると、ナルトは反射的に身を捩った。 
「ぅ、……や、だ」
「どうした」
 足の間に差し込まれる手に逆らって、両腿を閉じようともがく。悪あがきにしかならない抵抗を軽くいなしながら、自来也は、小さな膝の内側を掬い上げるように押さえ、開かせた。
「やっ、やめ」
「隠すな。今更恥ずかしいもねーだろ」
 つい今しがたまで腕の中で惑乱していた身体が、そんな状態のまま抗おうとするのだ。何か理由があるのか。
「やだ、やだ……っ」
 自来也は無遠慮に指を進めた。太く、厚い皮膚の乾いた固さが直に神経を弾き、若い女の身体を跳ねさせる。割れ目を辿り、前後に滑らせて濡れ具合を確かめ、それからおもむろに奥へと挿し入れた。
 そこで思い掛けなくも大量の水分をその爪に絡ませることになって、ようやく自来也はナルトの強い羞恥の原因に思い当たる。
「ああ……お前、さっき手を繋いだだけで、濡れたのか」
「ゃ……っ! ちが……っ」
 その通りだった。知られたくなかったことを過たず言い当てられ、ナルトは恥かしさのあまり否定を口走りながら片肘で顔を覆う。この女体に詳しい男は、身体の内側の温度や体液の感触だけで、それだけの情報を引き出してしまうのだ。
 畏怖と、どう足掻いたってこの人には敵いっこない、という敗北感。同時にナルトの胸を刺し貫いたのは、あの時、手を繋がれた時に感じた幸福感だった。溢れんばかりの甘い期待に、この身体はあまりにも正直に反応する。
「違わないだろ」
 機嫌の良い声は、勝ち誇ったように得意気だ。









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