地の果ての見たこともない夢 ...... 09
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「瞳の色に合うからかな、ブルーや紺系も良さそうね……。これなんかどう? ショーツのレースがかなり透け透けだけど、かわいいでしょ?」
「え、と、……カワイイ」
 殆どレースと紐だけのその作りに驚いたのか。目は泳ぎ、しどろもどろではあったが、賛成ではあるらしい。同意して頷いてくる。
 これは勧め甲斐がある、と女性店員は感じた。 
「こっちは五点セットで、ブラとタンガにベビードールとガーターベルトとストッキングまでついていて、この値段! かなりお買い得だよ」
「……すっげー……ナニコレ……」
 今度ははっきりと驚愕の表情になる。
「試着してみる?」
「え! 着てみていいの?」
 ぱっと表情を輝かせて、その子は声を弾ませた。
「もちろん」
 サイズを計り、正しい着け方をレクチャーしてから、試着室に案内する。


 言われた通りにやってみるが、ガーターベルトとストッキングの止め具が難しかった。店員さんがすぐに声を掛けてくれてたので、手伝ってもらって、ようやく五点セットを身に着ける。
 鏡を見ると、そこには見たことのない世界が広がっていた。
 ナルトは、なんというか、もう、あまりの現実に愕然とするしかない。
(すっげー! こんなのあるんだ……)
(お、女の人って、服の下にこんなの着てんの? 旦那さんや彼氏の前だとこんななの? てか、みんなこうやってフツーに買うものなのか? お水な商売の人とかじゃなくても、一般的に?)
(何このパンツぅぅぅぅ! うああああ、も、くらくらするってばよー!)
「とてもお似合いですよ。スタイルいいねぇ。もっと色々着てみない?」
 と褒められて、ナルトははっと我に返った。
「あのさ、えっとさ、姉ちゃん。こういうパンツって、いっぱいあんの?」
「あるよー。タンガは種類が豊富だからね」
 着たままでいいからこっちにおいで、と連れられてショーツ売り場へと移動した。
「普段使いでも、フルバックより、タンガの方が楽っていう人も多いのよ。ここらへんのは布地もレースも多めで、初心者向けかもね。これなんか、フリルがかわいいでしょ?」
「うん、うん!」
「で、これがサイドリボン。見た目もキュートだし、足上げなくても脱げるから、相手は喜ぶよね」
「え……っ! それって、そういう目的なモノなの……?」
「そりゃそうでしょ。これはどう? 普通のTバックだけど、刺繍とビーズの使い方は、このメーカーが私は一番好きかなぁ」
「おおお、こ、これが噂の……っ!」
「そしてこれが最強アイテム、ストリングタンガ!」
「うぁ! すげ! てか、意味ねぇ……紐だけって……」
「まぁね」
 リアクションがいちいち面白くて、店員はくすくすと笑った。
「どう? ここまでくると、かなりエッチでしょう? それの上を行くのが、このクロッチオープンだけどねー」
 見せられて、ナルトは今度こそ顔を引きつらせた。
「……これは……かなりエロいってばよ……」
「指入っちゃうよー」
「うわぁ! 入れなくていい! 入れなくていいってばよ! 姉ちゃん!」
「ふふ、どういうのが好みかなぁ。まずは、自分が気に入ったものから挑戦してみるといいよ」
「気に入ってって、オレが?」
「もちろん! うちで扱ってる下着は、相手に見せて脱がせて楽しませるのも目的だけど、まずは自分が気分良くなるのが一番大事なことでしょう?」
「そっかぁ」
 何度か頷き、しばらくナルトは思案した。相談相手を得たことに背中を押されて、勇気を出して質問してみる。 
「あのさ、あのさ! オレの好みは自分でもよくわかんねーんだけど、オレが今つきあってる人って、こういうのスゲー好きなんだってばよ。でもオレ、こーゆーの全然分かんなくって……」









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