(どうしてこんなに、気持ちいいんだろ)
貪られる。力に満ちて、強引にナルトを串刺すもので、圧倒される。
熱い。
これが好きだ、というのが、女に変えた身体の、正直な感覚だ。
指や舌や唇で何度いかされても、それでは満足はできない。気持ちいいけど、所詮前戯は前戯に過ぎず、本当に欲しいものではない。本当に欲しいのはこれだった。
細い肉管を無理やり押し広げられる凄まじい圧迫感に、痛みが全くないわけではなかったが、それがいいとすら思う。頭の中がぼうっとして思考は白濁し、ただ幸福感だけに充たされる。
休みなく突き入れられ、引き抜かれ、繰り返されながら、
「あ、ぅっあっ、ひ……んぁあっ」
息を散らし、ひっきりなしに喘ぐ。
声が止まらない。
のけぞらせる喉に、時々唇が降ってくる。労わられる仕草には、舞い上がるほど気持ちが充たされた。内壁の粘膜は、そんな感情の動きを率直に伝えるかのように上手に蠢いて、咥え込んでいる相手に媚びる。
「ナルト」
「くぅっ、ふ……」
名を呼ばれ、汗のにじむ額にかかる前髪を指でそっとのけられただけでも、そこはひくひくと包むものを甘く歓待して止まない。従順な反応に誘われて、自来也の指はこめかみを離れ胸元へと滑る。
「ぁあ、ん」
膨らみをきゅっと掴まれれば、与えられる心地よさそのままにナルトは乱れてゆく。なりふり構わず、腰を上下させる動きに合わせる。
「や、やぁっ、あ、あ、はっ」
恥かしい。内心の慕情を全て曝け出して捧げてしまうかのような、この嘘を吐くことのできない正直な身体の、必死で懸命な反応。
無論、相手がそれに付け込んでこないわけがなかった。腹いっぱいに詰め込まれた硬いものは、ナルトの求めに応じて、柔らかく滴る肉璧を辿り、行き来を繰り返す。感じやすい神経を、硬く尖らせてありながら柔らかさを持つ先のところで、容赦なく突き、こすられる。
「ひやぁぁん!」
最奥まで、犯される。
「あ、は、はぁっ……、う、ん」
先程散々中を掻き回していた指では、到底届かなかった部分だ。ずっと深く繋がることを欲していたそこをを、今まさしく触れられて、どころか力を込めて一息に撫でつけられ、気が狂いそうになる。粘膜と毛細血管に覆われた繊細で軟い神経の先。感受性の塊のようなその一番奥だ。そこを願望通りに、これでもかというほど可愛がられる。
収縮に合わせてくちくちと揉まれ、熱をもつ塊で宥められ、かと思えば、暴力かと思うほどの強さでがつがつと抉られた。
柔らかい胸をきつく掴み上げられながら、骨盤の奥では丸く捏ね回す動きで、弱い部分を徹底的に執拗に、責められる。
(も、だめだ……すっげ気持ちいい……)
何も考えられなくなってくる。不自由な呼吸に熱く熟れてゆく全身。眼の底が温まり、頭の中が真っ白になっていく。
(……おかしくなりそ……)
虚ろに見上げる視線は、すでに焦点が合っていない。そんな相手を、もう少しの間だけは正気を保たせておきたくて、自来也は耳元に口を寄せた。
「声、出せ」
「ひあ」
肩を揺らして悲鳴が上がる。突然、鼓膜を震わされ、荒々しい息に内耳を直に弾かれて、それだけで絶頂を迎えそうになってしまった。
「や……っも、だめ……!」
出る声は、赦しを請う媚びに塗れている。
「もう少し我慢しろ」
「できな……っ」
びくんと足の甲まで反りかえった。今の自分は、もう、何か声を掛けられるだけで駄目になりそうになっているようだった。
「も、い……く、いっちま……ぅ」
「まだだ」
腰を、そして突き刺された入口を、ひくひくと震わせて尚も求め続けるナルトを牽制するように、自来也は少しだけ動きを控える。
「いゃっ、あ、や……」
その一番奥まった位置でくゆらせる動きを、ナルトが堪らなく好んでいるのを自来也は知っていた。可愛らしく上がる嬌声に耳を傾けながら、意識してやさしくやわらかく押し当てる。相手を気持ち良くすることを第一に、欲しがられるまま動かし擦り込めた。体液を通して交接する神経を目掛けるかのように、そうする。目一杯尽くすことで、自らもまた楽しむ。
元より意地悪く長々と焦らして追い詰めるのは、性に合わなかった。
「ひ、やぁっ、んっ、ぅん」
疼いて仕方ない部分をまた充たされ、はしたなくも率直な嬌声を跳ね上げてゆく。
四肢を震わせて悦ぶ。
「な、も」
「ん?」
「い、いきた……ぃ、いっちゃ……ぅ」
「そんなに、いいか」
問えば、がくがくと顎を震わせて頷いた。
「お、おねが、い……っ、ゆるし、て」
必死の嘆願が唇から洩れる。もう限界が近いのだろう。足先にまで力を入れてもがいても、ほとんど動きにならない。激しく喘ぎ鳴き、胸を上下させながら、
「も、むり……っ」
誘うための単語を並べ、舌足らずに訴える。
「ね、は、やく」
急かされて、わかったわかった、と機嫌を取りながら、
「安心しろ」
うねって甘えてくる肉襞の具合を感じ取りつつ、様子を窺う。
「お前が一番いいようにしてやるから」
「ひ」
宣言と同時に、それまでしていた力の加減を、取り払う。全体を狭めて欲しがるそこに、思うさま体重を預け、強く揺さぶり始める。
理性を、放り出した。
「ああぁーっ!! あっ、ひ、あっ」
焼け爛れるような快楽に、喉を晒し、仰け反って胸を突きだす。腰を浮かせて、振り乱した。
「やぁっ、んっ、ぅん」
圧し掛かられて、その重さが嬉しい。奥まで大きなものを捻じ込まれ、隙間なく繋がり、かと思えば身勝手に掻き回される。
相手は、確かにもう若くはなかったが、その分、熟練した技に長けていた。恐らく桁違いであろう場数と年功に裏打ちされた手管の前に、経験の浅い若い身体はこうして簡単に陥落してしまう。衰えを知らない体力と精力に圧倒されるまま、蹂躙を受ける。
何度か指導を受けただけで、もうこんなに、身も心もその技巧の虜だ。意のままに操られ、好みの手順と教えられたままのセリフで応じる。
している最中は、まるで脳まで支配を受けているような心地だ。
そもそも体格に差があり過ぎた。少女の身体に変化していては尚のこと、抗いようがない。両手首を掴まれてしまえば絶対に逃れられないし、貫かれ刻まれるように揺さぶり始められてしまえば、もう悲鳴を上げてのたうちまわる以外に出来ることはなかった。
呼吸まで管理下に置かれたかのようだ。心臓を鼓動させる力すら、自分のものではないかような錯覚に陥る。
一掬いに浚われ、全部を奪われ、絶頂へと追い詰められてゆく。
「は、ぁん、ぅく、うっ……」、
薄い腹を引き攣らせ、埋められては摩られる部分を捻じ絞り、よがり狂った。
「あぅ、ん、ああっ」
喜悦の声音はますます淫らに可愛らしく、苦しげでありながら艶めいた鳴き声が止めどなく漏れ続ける。耳に届くのは、互いの熱い粘液を絡ませ合わせる部分の、くちゅくちゅと潤み滴って捏ねる水音。
合わせる肌を湿らせる汗。
その全身から受ける要求を、自来也は間違えなく叶えてゆく。
感覚の世界に意識を埋没させ、抱き締めている身体の奥の内部を尚も打ち責めながら、
「ナルト」
時機を見計らって誘導を始める。
耳許に声を落とし、
「そろそろ頃合いだろう」
「は……ぁ」
可哀相にその若い身体は、すでに限界を訴えることさえ自力では為し得ず、ただ許可が出るのを、ひたすら待ち詫びている状態になっていた。
「可愛い子だ、さぁ」
見計らいながら、命じる。
「いけ」
その許しの声を鼓膜が捕えた瞬間、ぴくり、と身を引きつらせ、
「んっ、んあ、ひあぁ、やあああぁぁーーーっ!」
喉から盛大な悲鳴をほとばしらせた。
細い身体は俊敏にくねり、かと思えば硬直する。絶頂感の甘い苦しみが、津波のように猛然と襲った。打ち据えられたように、がくがくと下半身を痙攣させて踵を跳ね上げ、薄い背中と細い腰をくねらせて苦悶する。
自来也は、繋げた部分を利用して、内側から、相手の激しい反応とその部分の動きを逐一感知し、味わう。
その瞬間の独特の薄い臓壁のうねり、襞の動き、猛烈な収縮感は、この時にしかやってこないものだ。凄まじく淫靡で決定的な絞め付けをぐっとこらえて、なんとかやりすごしながら絶頂を迎えるナルトに付き合うのは、それが目的だった。
内器に起こる現象を、突きさしたままのもの、それ全体を使って、存分に味わい尽くす。
やがてナルトのからだは、小刻みに打ち震えながら、がくりと力を失い、ぐったりと弛緩した。
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